人気 YOUTUBER「不動産アニキ」が語る“年収450万円から総資産30億円”への道のり 「脱サラする頃には預金が1.5億円ありました」

 東京23区で新築マンション1戸あたりの平均価格が1億円を突破し、不動産投資への注目も高まり、「バブル」が到来したとも囁かれる。不動産投資をめぐる情報も増えるなかで注目されているYouTubeチャンネルが「不動産アニキの非常識な投資学」だ。配信するのは「不動産アニキ」こと、不動産経営者向けのアドバイスを手掛けるホームコンサルティングソリューションズ株式会社の代表取締役・小林大祐氏(48)。

 昨年11月に開設された同チャンネルで小林氏は、「不動産投資で失敗しないための情報」などを配信、その明快な解説が評判を呼び、チャンネル登録者数を増やしている(現在4万5000人超)。年収450万円だったサラリーマン時代に不動産投資を始め、20年間で総資産30億円を築いたという小林氏にこれまでの歩みを聞いた。

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 僕は大学卒業後、富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)で企業戦士として働いていたのですが、26~27歳くらいの時に「株式会社は株主のために存在する」ということに気づき、自分で投資をやろうと思い立ちました。株、為替、不動産のなかで一番勝算があるのはどれかと検討し、不動産を選んだんです。

 当時の僕は年収450万円、貯金は500万~600万円ほどで、最初は競売で物件を探しました。カネもコネも知識もない若造でしたが、転勤族の経験上、 日当たりが良くて、水回りが綺麗で、LDKが広い物件であれば大丈夫だろうと考えて、それらを満たすような物件に入札し、紆余曲折を経て購入することができた。それが僕の人生初めての不動産投資です。名古屋のマンションの区分所有で、55平米の3DKの部屋でした。

最初の物件でリフォーム価格の“闇”に直面

 不動産というのは、「住む」「貸す」「売る」という3つの用途がありますが、その前段階として、再商品化のためのリフォームが必要になってくる。大家となった僕は3DKの部屋を2LDKに改築し、水回りを一新しようと考え、その工事の見積もりを業者に依頼しました。

 すると、たった55平米の1室のリフォームなのに、見積もりの金額は上が330万円、下は120万円と、200万円以上も開きがあった。おかしいと思い、自分で試行錯誤しながら行動した結果、リフォーム工事の見積もりを同じ工事内容で 60万円まで抑えることができたんです。最終的に、僕の初めての不動産投資は利回り20%で回り、成功を収めました。

 リフォームの過程で建築・不動産業界の不透明さという“闇”に直面し、“これは世の中の大家さんたちは困っているだろうな”と思ったんです。世の中の大家さんや地主さんは高齢の方が多いですしね。そこで勉強と実践を重ね、2005年にサラリーマンとの兼業で会社(ホームコンサルティングソリューションズ)を設立して「大家さんの為の満室経営実践会」という会を発起し、セミナーの事業を始めました。

書籍の出版をきっかけに「不動産一本」へ

 セミナーは、僕が不動産を購入し大きく利益を残す為に必要だった経営課題や、実際に不動産投資を拡大していくうえで捉えた本質をフレームワーク化して、不動産経営者の方々にその具体的方法をお伝えするというものです。「リフォームコスト削減」や「大規模修繕コスト削減」、「リスクの最小化とリターンの最大化」といったテーマで年に4回ほど行ない、それをブログやメールマガジンで告知、 配信し、だんだんと盛況になった。そこから事業が進化して、現在では、企業経営者や富裕層の方々に対して不動産に立脚した資産経営アドバイスをするようになり、その事業を現在までかれこれ20年続けています。

 勤務先からは兼業を申請し、認められていたのですが、2013年に『リフォームコスト削減ノウハウ』(筑摩書房刊)という書籍を出した頃から、いろんなメディアの取材を受けたり、外部で講演したりと派手に活動するようになったので、会社から怒られてしまった(笑)。それで36歳の時にサラリーマンとの兼業をやめて、不動産一本に絞ることにしたんです。

 その頃にはそれなりの資産も築いていたし、預金だけでも1億5000万円ほどありましたからね。今でも富士ゼロックス時代の同僚や先輩とお酒を飲んだりします。ビジネスマンとしてのスキルや社会のことも色々と学ばせてもらったので、サラリーマン時代の経験は僕の財産になっています。

資産30億円、借入は12億円弱

 今の僕のメインの仕事は、富裕層の方々の資産管理会社をお預かりして、代行運用しながら相続の全体設計に基づいた資産の防衛、拡大をするというものですね。海外だと富裕層がプロを雇って資産管理をするケースが多く、その形態を「ファミリーオフィス」というのですが、いわば僕の仕事は「不動産に立脚したプライベートファミリーオフィス」とも言えます。

 最初からそれなりの資産を持っている方でないと勝たせることは難しいということもあり、現在、僕が面倒を見させてもらっているのは60組ほどに限定していて、完全会員制になっています。「この人に時間を使いたい」という方だけ受け入れて、入会金と月会費をいただいている。

 一例を挙げると、コロナ禍の前に入会された15億円の資産をお持ちの会員さんがいるのですが、僕がご面倒を見たコロナ禍の約3年間で、都心を中心に不動産を組み入れ、資産を30億円以上まで増やすことができました。

 僕が不動産に参入してから20年が経ち、現在48歳になりましたが、総資産は30億円まで増えました。内訳は不動産資産が14億円、金融資産が6億5000万円で、残り9億5000万円が動産(お金や家具など動かすことができる財産)、借入が12億円弱あります。現在は会社を7つ持っていて、不動産会社、建築会社、クリニックの開業支援の会社などがあり、これらの会社は僕の会員さんたちに社長を任せています。

YouTubeを始めた理由

 YouTubeを始めたきっかけは、約60組いる会員さんのなかで、会員歴も長く、ゼロから5億円資産を築くなどの実績を上げた会員さんたちが、僕の不動産のノウハウを「広く教えていきたい」と言ってくれたんですよね。先ほども言ったように、僕はこれまでメールマガジンで告知してセミナーをやっていたのですが、コロナ禍の3年間は休止していました。その後、コロナが明けたらネットの発信メディアの中心はすっかりYouTubeになっていたんですね。それで、これからは僕がクローズドな場所で話していたことを、YouTubeで多くの方々に緩やかに伝えていこうということになったのです。

 YouTubeなどで発信した情報が、不動産投資をしている多くの方々の役に立てば嬉しいと思っています。

【プロフィール】

小林大祐(こばやし・だいすけ)/ホームコンサルティングソリューションズ株式会社代表。1976年6月7日生まれ。大学卒業後、富士ゼロックス関連会社に就職。富士ゼロックス本社に移籍。企業戦士となるが、「株式会社は株主の為に存在する事」に気づき27歳の時に兼業で創業。金無しコネ無し知識無しの全くのゼロから、総資産30億円を築く。2023年11月から運営するYouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」が人気に。

2024-07-02T07:27:08Z dg43tfdfdgfd